顎が痛いのはなぜ?考えられる原因と治療法を歯科医師が解説
こんにちは、たなか歯科医院です。
皆さんは口を大きく開けたり、噛んだりしたときに耳たぶの前あたりから音が聞こえたり、痛みがあったりすることはないでしょうか。
今回は顎の痛みや違和感について解説していこうと思います。
顎の痛みや違和感の原因とは?
顎の痛みや違和感の原因になるものは
①顎関節症
②歯由来のもの
③筋肉の疲れ
④外傷
⑤副鼻腔や耳の病気
が挙げられます。
それぞれについて解説していきます。
①顎関節症
顎関節症とは顎関節や周囲の筋肉に異常が起こり、痛みや口の開けにくさなどの症状が現れる病気です。
正常な顎関節は下の図の通りです。

この位置関係や周りの組織が痛んだり、変形したりすることを顎関節症といいます。
顎関節症といってもⅠ型、Ⅱ型、Ⅲ型、Ⅳ型の4種類があります。
・顎関節症Ⅰ型:筋肉に異常がある
顎を動かす筋肉に痛みが出ている状態です。
・顎関節症Ⅱ型:関節の異常
顎関節の靭帯や顎関節の周りの軟骨などに炎症が起こるタイプです。
・顎関節症Ⅲ型:関節の軟骨のずれ
開閉口時に関節円板が前方転移するタイプです。
この中にもⅢaとⅢbの2種類あり、
Ⅲaは口の開閉口時に耳元がカチカチとマウスをクリックするような音が鳴ります。音が鳴ること以外には特に口が開けづらいなどの症状はありません。
ⅢbはⅢaから症状が悪化したもので関節円板が前方に転移してしまったことで、口が開け づらくなってしまったものです。
・顎関節症Ⅳ型:変形性顎関節症
下顎頭が変形してしまうタイプのものです。
■顎関節症の治療法と予防策
顎関節症の治療法としては開口障害が生じていない場合は基本的には安静にすることが主体となります。
原因のほとんどが顎への負担によるものであるため、まずは大きく口を開けすぎないことや、固いものを食べる習慣がある人はその頻度を減らすことなど安静にすることで痛みが落ち着くかどうかを確認します。
また、無意識下で食いしばりがあったり、歯ぎしりをしていたりすることも顎への負担につながるのでそういう場合はマウスピースを使っていただき、負担を減らすようになります。
開口障害がある場合は外科的な処置が必要になることがあります。
軽度か重度か、またどのタイプの顎関節症かにもよりますが基本的には大きい病院の口腔外科で治療することになります。
予防策は顎に負担をかけすぎない生活を送ることが一番です。
②歯由来のもの
奥歯の虫歯が進行したり、歯周病が進行したりして歯由来の痛みであるのに顎の痛みとして感じることがあります。
特に親知らずの周囲が腫れて痛い場合は口が開けづらくなるとともに顎付近まで痛くなることがあるので、顎の痛みと錯覚することが多くあります。
噛んだら痛い、何もしなくても痛みがある感じがする、歯茎が腫れている場合は歯由来の可能性もあるので一度歯科医院に受診し、歯由来であれば、治療するようにしましょう。
③筋肉の疲れ
顎関節症とまではいかなくても夜寝ているときに無意識下で歯ぎしりや食いしばりをしていたり、力仕事やストレスがかかることで食いしばりをしていたりすると顎の筋肉が疲労し,顎が痛くなったように感じます。
特にこの頃多くいらっしゃるのが、唇を閉じたときに上の歯と下の歯が当たってしまっている状態で生活をしている方です。
基本的には唇を閉じているときは上の歯と下の歯が接することはなく、また舌は上の歯の裏側に触れている状態が普通の状態です。
日常的に上の歯と下の歯が接している状態のことをTCH(Tooth Contact Habit)といい、常に顎の筋肉付近に力がかかっている状態となるので痛みが出やすくなります。
また、歯ぎしりや食いしばりが大きい方はマウスピースを作って歯が擦り減らないように、また顎への負担を減らすようにしたほうが良いです。
④外傷
交通事故や、スポーツでの衝突など、外側からの衝撃で痛めることがあります。
軽ければ、打撲程度で済みますが、重症になれば骨折などの可能性があります。
外傷で顎が痛くなった場合、また強くぶつけた際は我慢せずすぐに歯科医院へ受診するようにしましょう。
⑤副鼻腔炎や耳の病気
顎の痛みや歯の痛みだと考えて、歯科医院を受診した際に歯や顎に異常はなく、副鼻腔に異常があるという方が大勢いらっしゃいます。
歯の根っこの部分と副鼻腔が、また顎の関節と耳が近いのでどちらが痛いかわからなくなり、来院」されることがほとんどですが、この場合はもちろん痛みの原因である副鼻腔や耳の治療をしなければ痛みを改善することはできませんが、歯科医院では歯由来また顎由来の痛みではないということを伝えることができますので、そこ以外が痛いのではないかという判断を助けることはできます。
まとめ
以上、顎の痛みについて原因と治療についてまとめていきました。
顎が痛いだけでもこれだけの可能性があります。
・口が開かなくなった
・顎が腫れている感じがある
・強い痛みが続いている。
・噛めなくなった
以上の場合は早めの歯科受診をお勧めします。
また、これ以外で症状がある場合はご遠慮なく受診されてください。
