口腔機能低下症・口腔機能発達不全症とは?症状やチェック項目、トレーニング方法を解説
皆さんは口腔機能発達不全症、口腔機能低下症について知っていますか?
口腔機能発達不全症は小児に対してのもの、口腔機能低下症歯高齢者に対してのものですが、それぞれについて解説していきます。
口腔機能低下症とは
まずは口腔機能低下症についてです。
口腔機能低下症とは以下の7項目のうち3項目に該当する高齢者の状態です。
口腔機能低下症の7項目
①口腔衛生状態不良
②口腔乾燥
③咬合力低下
④舌口唇運動機能低下
⑤低舌圧
⑥咀嚼機能低下
⑦嚥下機能低下
口腔機能低下症は連鎖的に機能が低下する
7項目のうち3項目以上該当だから該当しづらいのではないかという感じがあるかもしれませんが、1項目当てはまる部分があれば、他の項目でも連鎖的に該当する場合が多くあります。
例えば、口腔衛生状態が悪ければ歯周病になって、歯がグラグラしてきて、最終的に抜けてしまう。その状態では噛む力が弱くなるので咬合力が落ちる、またうまく咀嚼できなくなることで口の中で食べ物を一つの塊にする食塊が作れなくなり、飲み込むときに誤嚥が起きやすくなってしまう、というように1つが低下すると雪崩のようにほかの項目も低下してきてしまいます。
したがってできる限り1つでも低下させないようにすることが大切になってきます。
そのためには早めに機能が低下していることを発見しなければいけません。
早めに発見し、機能低下を抑えるためにも歯科医院での定期的なメンテナンスを受けることをお勧めします。
口腔機能発達不全症とは
続いては口腔機能発達不全症についてです。
口腔機能発達不全症とは18歳未満の子供で食べる、飲みこむ、話すなどの口を使った機能が十分に発達していない状態もしくは発達が正しく行えていない状態のことを指します。
18歳未満でも離乳前か離乳後かでチェック項目が変わってきます。
離乳前のチェック項目
離乳前であれば、
①生まれたときから口の中に歯がある
②生まれた段階で口腔内の形態に異常が見られる
③舌小帯の長さに異常がある
④哺乳の際に乳首をうまく口にふくめることができない
⑤授乳時間が長すぎる、もしくは短すぎる
⑥哺乳量、授乳回数が一定でない
⑦離乳開始をしているのに首が座っていない
⑧スプーンを舌で押し出してしまう
⑨離乳が進まない
⑩安静時に口唇が開いている
などがあります。
離乳完了後のチェック項目
離乳完了後であれば
①歯の生え変わりが遅い
②歯並びや噛み合わせが機能できない
③咀嚼できないくらいの虫歯がある
④強くかみしめることができない
⑤咀嚼時間が長すぎる、短すぎる
⑥片側でしか咀嚼をしない
⑦飲み込むときに舌が前に出てくる
⑧食べる量、回数にムラがある
⑨機能的な理由でうまく話すことができない
⑩安静時に口唇が開いている
⑪指しゃぶりや爪を噛む、唇をかむ、舌で前歯を押す、頬杖をつくなどが見られる
⑫舌小帯の長さに異常がある
⑬口呼吸である
⑭口腔扁桃が肥大している
⑮いびきをかく
⑯舌の力が弱い
などがあり、これらの項目に該当するところがある場合は口腔機能発達不全症の可能性があるかもしれません。
口腔機能発達不全症は早めの受診が大切
口腔機能低下症とは違って、これから成長していくうえで、歯並びだったり、虫歯になりやすかったりに影響していくので、該当するところがあるお子さんがいらっしゃる場合は早めに歯科医院に来院していただき、検査を行うことをお勧めします。
以上、口腔機能低下症と口腔機能発達不全症の2つの診断についてまとめました。
口腔機能低下症・口腔機能発達不全症の管理方法
続いては、早期発見した場合、何を歯科医院で管理していくのかを説明していきます。
口腔機能低下症の場合
口腔機能の維持、改善を目的として低下した機能に合わせてトレーニングを行います。
①唇のトレーニング(口唇機能訓練)
食べこぼしを減らしたり、発音を改善したりすることを目的として行われます。
トレーニング方法としてはボタンを唇で咥え、ボタンが引っ張られるのを離さないようにするボタンプルやストローを吸う方法などがあります。
②舌のトレーニング(舌圧訓練)
食べ物を飲み込みやすくしたり、まとめやすくしたりすることを目的として行われます。
トレーニング方法としては舌を上あごに押し付ける方法や、舌回し、ガムを噛んで上あごに押し付けて伸ばすガムトレーニングがあります。
③パタカラ体操
パ、タ、カ、ラをできるだけはっきりと速く発音するトレーニングです。1日2~3回、10回程度やることで、舌や頬の筋肉などの機能を改善する効果があります。
④唾液腺マッサージ
唾液腺を刺激することにより唾液の分泌を促進させ、口の乾燥を防いだり、食べ物を一塊にしやすくし、嚥下しやすくする効果があります。
まだまだ一部しか紹介していませんが、こういったトレーニングを行っていき、口腔機能低下を防いでいます。
口腔機能発達不全症の場合
子どもの成長に合わせて、発達が遅れないようにもしくは遅れている部分を取り戻せるようにトレーニングを行っていきます。
口腔機能療法(MFT)と呼ばれるものを行い、舌のトレーニング、唇のトレーニングなどを行ってそれぞれの機能がしっかりと行えるように訓練していきます。
また、生活習慣の改善も行い、よく噛んで食べる、正しい姿勢でいる、口を閉じる習慣をつけるなどの指導を行っていきます。
機能の問題でなく、形態的な問題があることも考えられる場合は、小児科などと連携を行い、正しい成長を行えるように支えていくこととなります。
まとめ
以上、口腔機能低下症、口腔機能発達不全症について軽く解説していきました。
ご自身で判断することはなかなか厳しいので、チェック項目に当てはまるところがあった場合は早めの歯科受診をしていただき、管理してもらうことをお勧めします。