たなか歯科医院ブログ
歯の破折について
2022-10-27
今回は過剰な力が生む深刻なトラブル「歯の破折」についてお話したいと思います。
歯の破折とは歯が割れたり、折れたりしてしまうこと。上のほうが割れただけなら修復治療ができます。しかし歯根の方まで真っ二つに割れてしまう事も多く、こうなると治療は困難で、抜歯になり歯を失うケースがほとんどです。
「歯を失う」などというと、シニア世代の話だと思われがちですが、35歳以上の方が歯を失うケースの約10%が歯の破折であることが分かっています。
特に若くて体力がある方に歯ぎしりをする癖があると、無意識に行う事だけに抑制がきかないため、猛烈な力が歯にかかります。「朝起きたら急に歯が痛くなっていた」と訴えて来院した若い患者さんの歯が真っ二つだった、というようなことも起きるのです。
神経を取った奥歯、割れるリスクは7倍!
中でも割れやすいのが、神経を取っている歯(失活歯)です。神経のある健康な歯と比較したコホート研究によると、神経のない歯の喪失リスク前歯では1.8倍、奥歯ではなんと7.4倍にもなるという驚きの数字が出ています。
むし歯で炎症を起こして壊死した神経を取るには、歯の真ん中をくりぬく様に歯を削らなければなりません。細菌に汚染された神経をきれいに取るには削る量がそれなりに増えるため、歯は弱くなり、破折のリスクが上がってしまうのです。
日頃からスポーツをたしなむ方の噛む力は強く、体力がなく噛む力も弱い方の歯よりも破折のリスクにさらされやすいことは容易に想像できると思います。若くて元気な方の中には全く治療したことのない健康な歯(神経を取ってない歯)までへし折ってしまう方もいます。
就寝時にナイトガード、定期受診もお忘れなく
破折を防ぐためにもっとも重要なのは、力のコントロールです。効果が高いのが就寝中につかう歯科のナイトガード(マウスピース)。就寝中に無意識でしてしまう歯ぎしりから歯を守ってくれます。
そして忘れてはならないのが歯科への定期受診です。特に神経を取った歯がある方は、その歯に偏った力がかかっていないか、噛み合わせのチェックを受けましょう。歯はすり減ったり移動したりするので、知らないうちに嚙み合わせが変化して過剰な力がかかりやすくなってしまう事があるからです。
また神経を取って被せ物をしている歯は、虫歯になっても痛みを感じず気付きにくいです。知らないうちにむし歯が入り込んで歯が傷むとますます破折しやすくなるので、大事な歯を失わないために、必ず定期受診をお願いします。
歯の破折とは歯が割れたり、折れたりしてしまうこと。上のほうが割れただけなら修復治療ができます。しかし歯根の方まで真っ二つに割れてしまう事も多く、こうなると治療は困難で、抜歯になり歯を失うケースがほとんどです。
「歯を失う」などというと、シニア世代の話だと思われがちですが、35歳以上の方が歯を失うケースの約10%が歯の破折であることが分かっています。
特に若くて体力がある方に歯ぎしりをする癖があると、無意識に行う事だけに抑制がきかないため、猛烈な力が歯にかかります。「朝起きたら急に歯が痛くなっていた」と訴えて来院した若い患者さんの歯が真っ二つだった、というようなことも起きるのです。
神経を取った奥歯、割れるリスクは7倍!
中でも割れやすいのが、神経を取っている歯(失活歯)です。神経のある健康な歯と比較したコホート研究によると、神経のない歯の喪失リスク前歯では1.8倍、奥歯ではなんと7.4倍にもなるという驚きの数字が出ています。
むし歯で炎症を起こして壊死した神経を取るには、歯の真ん中をくりぬく様に歯を削らなければなりません。細菌に汚染された神経をきれいに取るには削る量がそれなりに増えるため、歯は弱くなり、破折のリスクが上がってしまうのです。
日頃からスポーツをたしなむ方の噛む力は強く、体力がなく噛む力も弱い方の歯よりも破折のリスクにさらされやすいことは容易に想像できると思います。若くて元気な方の中には全く治療したことのない健康な歯(神経を取ってない歯)までへし折ってしまう方もいます。
就寝時にナイトガード、定期受診もお忘れなく
破折を防ぐためにもっとも重要なのは、力のコントロールです。効果が高いのが就寝中につかう歯科のナイトガード(マウスピース)。就寝中に無意識でしてしまう歯ぎしりから歯を守ってくれます。
そして忘れてはならないのが歯科への定期受診です。特に神経を取った歯がある方は、その歯に偏った力がかかっていないか、噛み合わせのチェックを受けましょう。歯はすり減ったり移動したりするので、知らないうちに嚙み合わせが変化して過剰な力がかかりやすくなってしまう事があるからです。
また神経を取って被せ物をしている歯は、虫歯になっても痛みを感じず気付きにくいです。知らないうちにむし歯が入り込んで歯が傷むとますます破折しやすくなるので、大事な歯を失わないために、必ず定期受診をお願いします。