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たなか歯科医院ブログ

早期発見!注意したい永久歯の生え方
2023-04-10
口・あごの発達が著しい学童期。この成長の変化にともなってしばしばみられるのが「永久歯の生え方の異常」です。発見が遅いほど、対応が困難になり、さらに放置すれば、その後の影響に悪影響を及ぼすこともあります。定期的に歯科医院でみてもらい、早めの対応がカギです。今回は永久歯の生え方の注意点や処置についてお話します。
~歯の生えかわり時の注意ポイント~
①乳切歯の残存と下あごの切歯の舌側転位
   
乳歯が残ったまま、次の永久歯が生えてきて、一時的に2枚歯になっている状態です。下の前歯でよく見られます。永久歯が内側から生えてくること自体は異常ではありませんが、乳歯が長くとどまる場合は、注意が必要です。

【治療法】
2枚歯でも乳歯がグラグラして痛みがなければ、乳歯の根が短くなり、自然に生え変わると思われますし、スペースが十分にあれば舌の力で次第に前方に出てきます。このような場合は経過をみて抜けるのを待ちます。
一方、乳歯がグラグラせず、レントゲン撮影で歯の根が長いことが分かれば、歯みがきのしやすさなどを考慮して早期に乳歯を抜歯することもあります。いずれの場合も歯並びや嚙み合わせの状態により、矯正治療を検討することもあります。
②永久歯の萌出遅延
   
何らかの原因で永久歯がなかなか生えてこない状況を萌出遅延といいます。永久歯の萌出の大幅な遅れにより、隣にある永久歯や歯並び、噛み合わせ全体まで影響が及ぶことがあるため、注意が必要です。

【治療法】
永久歯の形成そのものが遅いだけの場合もありますが、生えてくるうえで障害となる他の原因があればすみやかに対応します。具体的にはいつまでも残っている乳歯や過剰歯の抜歯、まれではありますが歯牙種の摘出などです。それでも永久歯が生えてこない場合には、歯を引っ張り出す手術や矯正治療などを検討します。
③異所性萌出
   
歯が本来生えるべき位置から離れて出てきたり、大きく傾いたまま生えてきたりすることをさします。「八重歯」はまさに異所性萌出です。この八重歯よりも多く、しかも早い時期に起こるのが、第一大臼歯(6歳臼歯)の異所性萌出です。6歳以降によくみられます。なかなか歯が出てこないため、レントゲン撮影で発見されることもあります。

【治療法】
異所性萌出に対しては、「スペース確保」と「傾きの修正」のための治療を行います。スペース確保では、ゴム製の素材(モジュール)などを第一大臼歯と隣の歯の間に挟んでスペースを作ったり、乳歯を一部削って引っかかりを取り除いたりします。それでも効果がない、これらの治療ができない場合は矯正治療を行います。
④過剰歯
   
過剰歯とは正常な歯の数より多く存在する歯の事です。上の前歯にもっともよくみられます。乳歯の時期に発見されることが多く、その後の永久歯列に大きな影響を及ぼします。

【治療法】
過剰歯がほかの永久歯に影響を及ぼす場合は、時期をみて抜歯します。とくに逆生過剰歯では、処置しなければ埋まったままになりますので抜歯します。抜歯後は、矯正治療により歯並びや嚙み合わせを整えます。なお、歯並び、嚙み合わせに影響がなければ処置をせず経過をみることもあります。
⑤先天欠如
 
永久歯の先天欠如とは何らかの原因であごの中に歯が形成されないことをいいます。現在、約10人に1人の割合でみられることが分かっています。1本~多数の永久歯がつくられないことがあり、上の歯よりも下の歯に先天欠如がある場合が多いです。

【治療法】
先天欠如が判明したら、すぐに治療が必要になるとは限りませんが、乳歯をできるだけ残すために専門家による定期的な管理(むし歯・歯周病予防)が大切です。乳歯を代用できない場合は以下のように矯正治療や人工の歯(ブリッジ・インプラント・部分入れ歯)で補う治療を行います。
*多数の永久歯の先天欠如が疑われる場合は、大学病院などへ紹介することもあります。
マスク生活の影響から、最近では矯正治療を受けるかたが増えているように思えます。実は大人になった時の歯並びや噛み合わせの問題は生え変わり時期のトラブルが直結していることが多いと言われています。歯並びが悪ければケアが難しくなり、大人になって歯周病が悪化するといったことにもつながっていきます。できれば問題が小さいうちに早期発見することが大切です。それを可能にさせるのが、定期健診です。3~4か月に1度は通院されることをお勧めします。

(写真・図:NICO)
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