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たなか歯科医院ブログ

お子さんの5人に1人?!エナメル質形成不全症(MIH)とは?
2022-08-30
エナメル質形成不全症(MIH)とは、エナメル質が先天的にもろい状態をいいます。永久歯の前歯と6歳臼歯にみられることが多く、見た目の特徴としては初期むし歯の白濁とは少し違ったマット感のある色、そして黄色っぽい変色があげられます。
こうなる原因は不明なのですが、歯があごの骨の中で育っている時、エナメル質が十分に成熟しないことによって起きると考えられています。たとえば、永久歯の前歯と6歳臼歯はほぼ同じ時期にあごの骨の中で育つので、その時期の記録が歯に刻まれて生えてくるというわけです。
 
エナメル質がもろいとはどんな困ったことが歯に起きる?
主に問題になりやすいのが奥歯のエナメル質の欠けや崩れです。そしてエナメル質が失われることでむし歯も進行しやすいので注意が必要です。

エナメル質は本来からだの中で一番硬い組織です。鎧のように外側を覆って歯を守る働きをしています。エナメル質の内側にはエナメル質より一段とやわらかい象牙質があり、さらに内側には神経が通っています。歯が健康でいられるのは、エナメル質に守られているおかげで、噛んだ時に強い力がかかっても歯が壊れないように、そして象牙質や神経に菌がはいらないように守っています。
前歯の場合、通常エナメル質に強い力がかからず、歯面もくちびるや舌と絶えずこすれてプラーク(歯垢)が溜まりにくいこともあって、欠けたりむし歯になったりといったトラブルになることは稀です。ただ変色が気になるこが多いです。
一方、問題が起きやすいのが奥歯です。6歳臼歯など、噛んだときの強い力を受け止める歯がエナメル質形成不全症だと、噛み合っている歯とぶつかっているうちに、歯が崩れたり欠けたりしてそこにプラーク(歯垢)が溜まるとむし歯が発生します。しかもそのむし歯は「あれ、こんなところに?」というような場所に出来ます。奥歯のむし歯は、噛み合わせの溝や、歯と歯の間など、通常プラーク(歯垢)が溜まりやすい場所から始まるものです。ところが、エナメル質形成不全症を原因とするむし歯は、歯の山(咬頭)、つまり常に食べ物や歯とこすれていてプラークが溜まりにくい場所(つまりは力がかかって崩れやすい場所)にできることが多いです。

予防と小さな処置で歯を持たせます!
歯が多少崩れてきても大丈夫です。レジン(プラスチックの詰め物)などで小さく補修・補強しながらできるだけ歯をもたせるようにします。将来、本格的な治療が必要になるまでは可能な限り神経は保存します。

お口の健康を長期的に維持するには、普段からしっかりむし歯予防をして、歯質と神経を保存しておくことが重要です。エナメル質形成不全症の場合も同じで可能な限り歯質を守り、神経を保存して、歯を長持ちさせていくことが経過観察の課題となります。
そのためにはまず、できるだけ早期に生え始めた奥歯のエナメル質形成不全症を発見して、経過観察をはじめます。エナメル質が欠けたり、崩れたりしたらそこを補修し補強して新たな崩れを防ぎます。神経を取る治療がどうしても必要になるまでは歯はなるべく削らずに歯質を残してより長く使い続けようというわけです。

油断は大敵。定期的な来院を!
エナメル質形成不全症の歯はむし歯の進行が速いので油断をしているといつの間にか大きな穴が開いてしまいます。
むし歯で痛い思いをし、痛いときだけ歯科に通ったお子さんは、歯医者嫌いになってしまいやすいです。そして治療後にまた来院が途絶えてしまうと、歯科医師に出来ることは、来院するたびに応急的に詰め物や被せ物をし、ひとまず痛みを止めることが中心になってしまいます。これでは痛い→治療→通院中断→痛い→治療→ますます歯医者嫌いに・・・という悪循環が止まりません。そこで、歯科医院には、お子さんが痛くつらい思いをする前から、少なくとも永久歯が生えてきたらおいでください。
エナメル質形成不全症を早期に発見するためにも学校の検診に加えて、歯科医院でも検診を受け、その後も定期的なメインテナンスを続けていきましょう。


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