たなか歯科医院ブログ
歯が抜けた際の影響について
2022-02-28
こんにちは。諫早市小野町の歯医者「たなか歯科医院」です。
歯が抜けてしまったり、むし歯や歯周病が進行し、残せない状態の歯を、歯医者で抜いてもらったりといったことはありますか?歯が無くなって、すいているけどそのままにしている。一本歯がない状態だけど不自由していない、そういったことはないでしょうか?お気づきとは思いますが、それは良くない状態です!
歯が抜けていると起こりうる事について確認していきましょう。
【間の歯が抜けていると起こること】
①かみ合わせが悪くなる
歯が抜けている状態では、隣の歯が移動してきたり傾いたりして、かみ合わせに影響が出てきます。普段と噛む場所が変わってきて違和感がでたり、強く当たって痛みが出ることもあります。そうなる前に改善が必要です。ひどい場合では顎関節症にも発展し、あごや周囲の筋肉に痛みが出ることもあります。
②抜けた歯と反対側の歯が浮いてくる
歯は日常的にかみ合っているため、歯が抜けると、元々はその歯とかみ合っていた反対側の歯が浮いてきます。歯が浮いてくると物が詰まりやすくなったり、ぐらぐらしてきたりといった不具合が出てきます。
③ほかの歯に負担がかかる
奥歯などは特に噛む力がかかるところのため、抜けるとほかの歯に負担がかかりやすいです。今まで力がかかっていなかった歯で強くかむと、歯の表面が割れて知覚過敏の症状が出たり、歯根の周囲の骨が溶けてくることもあります。
④見た目が悪くなる
綺麗に並んだお口と比べ、一本歯がないだけでもどうしても歯並びのバランスは悪くなってしまいます。
お口の中のバランスを考えると、歯が抜けることによって、多くの弊害が起こることが予想されます。一本抜けてすぐに影響が出るものではありませんが、そのままにしておくと将来的により多くの歯に影響が出てしまう恐れがあります。たった1・2本と考えず、まだ1・2本だけで済んでいる、という状態から早めに改善していきましょう。
【抜けた歯の隙間を埋めるにはどうしたらいいか】
間の歯が抜けている場合、考えられる治療法は3つあります。
①ブリッジ
②入れ歯(義歯)
③インプラント
①ブリッジ
ブリッジとは歯が抜けた部分の両隣の歯に橋を架けるようにかぶせ物を作るものです。
●メリット
入れ歯と比べると噛む感覚は普通の歯に近いです。異物感も入れ歯に比べると少ないことも利点です。外してお手入れする必要がありません。
●デメリット
両隣の歯とつなげて作るため、隣の歯が健康な歯であっても削る必要があります。取り外してお手入れができないため、歯間ブラシなどでブリッジ部分の掃除が必要になります。
②入れ歯(義歯)
ピンク色の樹脂素材の上に歯を並べたものを取り付けます。入れ歯洗浄剤のCMでよく見るあの形です。他の歯に金属を引っ掛けて噛む力を負担し、外れないよう隣の歯に金属のバネをかけます。
●メリット
金属をひっかける部分は小さくて済むので、ブリッジに比べほかの歯を削る量が少ないです。削るといっても形を調整する程度のため、治療の負担は一番少ないです。
取り外し式のため、隣の歯のお手入れはしやすいです。
●デメリット
お口の中に装置を入れるため、ブリッジと比べると異物感があります。歯があった時より噛む力が低下したりしゃべりにくかったりすることもあります。また入れ歯が外れないようにする金属のバネはどうしても目立ちます。(保険外の入れ歯であれば、金属のバネをなくして作ることも可能です!)
お掃除の際は取り外しが必要です。取り外し式であるのは利点でもあり欠点でもありますね。
③インプラント
インプラントは歯の根っこの代わりに金属の土台を骨に埋め込んで、その上にかぶせ物をする治療法です。
●メリット
ブリッジと入れ歯のいいところ取りをしたようなものです。噛む感覚は実際の歯に近いといわれており、異物感も少ないです。他の歯に負担をかける必要がないので、健康な歯を削ることがありません。またインプラントは1本で独立しているので噛む力がバランスよく全体に分散され、かみ合わせや顎への影響が少ないです。上のかぶせ物は白く作ることができるので、金属が目立つこともありません。
●デメリット
保険外の治療法になるため高額になります。たなか歯科医院では1本30~40万円ほど金額がかかります。
インプラントを埋め込んだ部分と歯茎はくっつかないため、中に汚れが溜まることがあります。しっかりとした歯茎のケアが必要です。清掃状態が悪いとインプラント周囲炎という腫れを起こしてしまい、せっかく埋めたインプラントがぐらぐらと揺れてきてしまう恐れがあります。自宅でのケアと定期的な歯科受診をお勧めします。
歯が抜けてしまうと、抜けた部分だけでなくお口の中全体のバランスが崩壊していきます。だんだんと状況が悪くなってくると、食べられるものが減ってきたり、しゃべりにくくなってきたり、痛みが出たりなど症状は様々です。まだ影響が少ないうちから治療を始めることで、お金や治療の負担を軽減することができ、お口全体の健康を保つことにもつながってきます。
何らかの原因で歯を失ってしまった際には積極的に治療を検討してみてください。