たなか歯科医院ブログ
親知らずについて
2022-02-02
今日は、患者さんによく聞かれる親知らずについてのお話をしたいと思います。みなさんの身近に親知らずを抜いたことがあるという人は少なくないでしょう。そんな親知らずについて、みなさんが気になりそうなお話をQ&A方式でまとめてみましたので、これから親知らずを抜きたいと思っている方、親知らずを抜こうか迷っている方、自分の親知らずが最近気になってきたという方はぜひ読んでみてください。
Q.そもそも親知らずって何なの?
A.顔の中心の歯から数えて8番目の歯のことで、上下左右で計4本あります。一般的には「1番奥の歯」とだけ説明を受けることが多いと思います。これには理由があり、人によっては生まれつき歯の本数が少なかったり、顔の中心に左右の1番目の歯が生えているとは限りませんので、「一番奥の歯」という説明が最も分かりやすく、多くの人に当てはまる説明となるからです。だからと言って、その親知らずを抜いたら、次はその手前の歯が一番奥になるのですから、その歯が次の親知らずになる、といったわけではありません(当たり前ですが)。なるべく誤解を生まないように説明するならば、大臼歯の3番目の歯と説明するのが分かりやすいかもしれません。みなさんのお口の中を鏡で見てもらえば分かると思いますが、奥に比較的大きな歯が2本〜3本生えていると思います。それが大臼歯と呼ばれるものです。その中で手前から3番目の歯が親知らずというものです。
Q. 親知らずはなぜ抜かないといけないの?
親知らずは前述の通り、「一番奥」に生えている歯です。その為、なかなか自分では鏡で確認しにくかったり、歯ブラシや糸ようじのような清掃器具が届きにくかったりして、汚れがたまりやすいわけです。ではその汚れが溜まり続けたらどうなるか分かりますね。虫歯や歯周病の原因になるわけです。そう言った理由から、他の歯はしっかりと磨けているのに、親知らずだけは虫歯になっている患者さんを見かけることも珍しくありません。
さらに、親知らずだけが虫歯や歯周病になるだけでは済まず、その一個手前の大臼歯(第二大臼歯と言います)との間にも汚れがたまることになる為、第二大臼歯の虫歯や歯周病の原因にもなります。放置した結果、親知らずが原因でその手前の第2大臼歯まで抜かないといけなくなる方も多くいます。
このようにして、他の歯や歯周組織に悪影響を及ぼすことが多い為、抜いた方がいいと言われているのです。
Q.じゃあ全員いつかは親知らずを抜かないといけないの?
そうとは限りません。先にも話した通り、親知らずを抜かないといけないのは、親知らずとその周りが清掃不良になりやすいからです。ですが、人によっては親知らずがまっすぐと生えていて、かつ歯ブラシがしっかりと当たるくらいお口が大きい方もいます。そう言った方は必ずしも親知らずを抜く必要はありません。歯が多い方が食事中に食べ物をよく噛めますもんね。
Q. どんな人が親知らずを抜いた方がいいの?
それは親知らずが斜めに生えていて、歯茎に半分埋まっていたりして歯ブラシがなかなか親知らずに当てられない方や、歯ブラシが親知らずに当てれるほどお口が大きくない方です。
そのような方は親知らずやその手前の歯が虫歯や歯周病になる前に抜いておいた方がいいかもしれません。ですが、自分の親知らずがどのように生えているのか、実際に清掃不良になっているのかは自分ではなかなか確認しづらいものです。気になる方は一度近くの歯医者さんで見てもらうといいかもしれませんね。
Q.親知らずは何歳ごろに抜くのがいいですか?
できれば20歳までに抜くのが理想的かと思います。これにはもちろん理由があります。一つは先に説明した通り、手前の歯の虫歯や歯周病の原因になりやすいので、そうなる前に抜いた方がいいということ。二つ目に、人の骨は歳を重ねるごとに、硬くなっていきます。歯の周りには歯槽骨という歯を支える骨があるのですが、それが硬くなっていくとどうなるか分かりますね。歯槽骨によりがっちり支えられている歯は抜きにくくなります。それによって、抜歯にかかる時間が長くなったり、抜歯中のストレスが大きくなり、術中術後の腫れや痛みが発症するリスクが高まるわけです。ただし、受験や成人式、結婚式、女性の場合は、出産などのライフイベントを控えている方は、それらの後に抜歯されるのがオススメです。
Q.親知らずの抜歯はどこの歯医者でできますか。
口腔外科を標榜している歯科医院であれば間違い無いと思いますが、口腔外科を標榜していない歯科医院でも普通に親知らずの抜歯ができることが多いです。(もちろん当院でも親知らずの抜歯をおこなっています。)まずはかかりつけの歯科医院に相談してみて、親知らずの生え方や親知らずの近くを走行している神経との距離などを調べる検査を受けてみてはいかがでしょうか?もし、一般の歯科医院では難しい抜歯であった場合、適切な歯科医療機関を紹介していただけるかと思います。