お子様の虫歯予防どうされていますか?
今回はお子様の虫歯予防について書いていきたいと思います。
1. 仕上げ磨きは毎食後してあげたほうがいいの?
時間に余裕があるのであれば、毎食後仕上げ磨きをしてあげたほうがいいですが、お子様は学校だったり、保護者様は仕事だったりとなかなか時間がないことのほうが多いと思います。
そういった場合には仕上げ磨きは夜ごはんのあとに念入りに1回してあげるだけで十分です。
というのも、夜寝ているときは唾液が少なくなります。
唾液は実は虫歯を抑える効果があります。詳しくは次項に掲載予定です。
その唾液が昼の1/10以下まで減ってしまうことで、お口の中は虫歯菌が繁殖しやすい状態になります。
もしも歯を磨かずに寝てしまった場合、お口の中の最近は10~100倍まで増えてしまいます。
そのため、できるだけ寝る前に仕上げ磨きをしてあげて虫歯菌の繁殖を防ぎましょう!
フロスやフッ素を併用することでさらに効果は高まります!
2. 間食は何時がいい?何だったら虫歯になりづらい?
間食の時間は特に何時だったら虫歯になりにくいなどという研究結果は出ていませんが、夕食後に間食をすることはあまりお勧めできません。
虫歯菌が多くなる時間帯であるので、そこで間食をしてしまうと虫歯リスクが高くなってしまいます。
下のグラフは歯の表面の様子と時間を調べたものです。
黒の点線より低くなると歯の表面が酸により溶かされている状態、高いところにあれば唾液などによって再石灰化されている状態を表しています。
縦のオレンジと緑の点線の時にご飯、間食を食べています。

したがって、間食の回数に関しても多くなればなるほど、虫歯のリスクは高くなっていきます。
そのため出来たら1日に1回を目安にされてください。
間食とは別になりますが、お子様が大好きなジュースや飴なども虫歯のリスクが高まります
ジュースにも飴にも砂糖が多量含まれており、飲んだまま、なめたまま長い時間を過ごしてしまうと歯の表面にジュースや飴の成分が残り、虫歯リスクが高くなってしまいます。
そのためジュースを飲んだ後、飴をなめた後はできる限り歯磨きを、その時間がないならうがいをするだけでも虫歯のリスクを下げることができます。
お菓子、ジュースを全く食べないのは難しいと思うので、できるところから虫歯予防を進めていきましょう。
3.シーラントとフッ素塗布って何が違うの?
シーラントとはフッ素のお薬のことで、お子様の歯の溝など、歯ブラシの毛先では届かない磨きにくいところ埋めてしまうものです。
歯の構造的な理由で、歯ブラシなどでは清掃が困難な溝に対して、シーラントを行うことが多いです。
シーラントにはレジン系のものとセメント系のものがあります。どちらも固くなるのでフッ素を塗るだけと違い、食渣が詰まりにくくなり、効果が持続します。
またフッ素の入っている歯磨き粉で歯を磨くことにより、シーラント内にフッ素が貯めこまれ、貯められたフッ素を徐々に出して、歯の再石灰化を促進してくれます。
ここまで見ると、シーラントのほうがいいように見えますが、シーラントは噛み合わせの部分の溝にしか使うことができません。逆に言えば、フッ素はどこにでも使うことができるので汎用性で言えばフッ素のほうが高くなります。
結論はどちらも向き不向きがあり、2つをうまく活用することが大事ということになります。
| 比較項目 | フッ素塗布 | シーラント |
|---|---|---|
| 主な目的 | 歯質を強化して虫歯に強くする | 溝を封鎖して虫歯菌の侵入を防ぐ |
| 作用 | 化学的(再石灰化・抗菌) | 物理的かつ化学的(封鎖) |
| 効果範囲 | 歯の表面全体 | 奥歯の溝部分 |
| フッ素リチャージ | ― | あり |
4.虫歯予防のガムって効果あるの?
虫歯予防のガムは甘味料としてキシリトールが作られています。
甘味料と聞くと、甘いのじゃないかとか、虫歯になりやすいのじゃないかとか考えてしまうかもしれません。
虫歯菌(ミュータンス菌)が酸を出して、歯を溶かすためにはスクロースと呼ばれる糖が必要となります。スクロースとは砂糖などが消化によって分解することで出てくる糖です。
逆に言えば、スクロースでなければ虫歯菌は酸を出すことができないため、消化によって分解された際、スクロースが出ない糖を使えば、虫歯リスクを限りなく低くすることができます。
さらに、ガムなど噛むことで唾液を産生することが促進されるため、前述しましたが唾液には抗菌作用があるため、虫歯リスクを減らすことができます。
ただ、歯磨きの代わりにはならないので、虫歯予防のガムを噛んだから歯磨きをしなくていいことにはなりません。
しっかりと歯磨きをしてその補助的なものとして食べるようにしましょう。
ガムのほかにもキシリトールを100%使ったチョコレートなどもお菓子として誕生しているので興味があったら調べてみてください。
また、キシリトール100%のものでなければあまり効果があるとは言えません。
キシリトールが80%でそのほか砂糖であるならば、結局虫歯リスクは高くなるので、キシリトール100%のものを選ぶようにしましょう。
以上にわたってお子様の虫歯予防について書いていきましたが、これ以外にもわからないことはたくさんあると思います。その場合はスタッフに気兼ねなく質問してください。
しっかり歯磨きをして虫歯ゼロを目指しましょう!