気になる歯磨きの疑問を一挙解決!PART2
今回は前回に引き続き口腔ケアの様々な疑問にお答えします。
疑問11.歯磨き粉の種類が多すぎてどれを選べばいいかわからない。
A.
歯磨き粉には一般的な虫歯予防のほかに、知覚過敏用、歯周病用など様々な種類があります。
①虫歯予防タイプ
フッ素が配合されており、歯の再石灰化を強化してくれます。
大人用であればフッ素濃度が1450ppmのものを子供用であれば900ppmのものがおすすめです。
②ホワイトニングタイプ
研磨剤が多く配合されており、ブラッシングによって歯の表面を物理的、化学的に研磨することで歯の着色汚れを落とすことができます。
③知覚過敏用
知覚過敏を抑える効果のある硝酸カリウムや乳酸アルミニウムが配合されています。
④歯周病予防タイプ
歯茎に炎症がある方におすすめで、消炎効果のあるトラネキサム酸や塩化セチルピリジウムなどが配合されており、歯磨きの時に出血がある方や、歯医者さんで歯周病(歯槽膿漏)と診断された方、40歳以降の方はおすすめです。
基本的には虫歯予防タイプ、もしくは歯周病予防タイプのどちらかで日常的に磨き、それぞれ気になることがあったときにその都度、用途に合った歯磨き粉を使用するのがいいと思います!
疑問12.マウスウォッシュはしたほうがいいの?
A.
結論から言うとしたら効果はありますが、あくまで日頃の歯磨きの代わりにはなりません。歯磨きと併用して行うことでより高い効果を得られます。
以下の表にマウスウォッシュをする目的とその効果があったかなかったかをまとめています。
| 目的 | マウスウォッシュの効果 | 効果の有無 |
|---|---|---|
| プラーク(歯垢)抑制 | 明確にあり(CHX, CPC, EO系) | ✅ 効果あり |
| 歯肉炎予防 | 明確にあり(CHX, EO系) | ✅ 効果あり |
| 虫歯予防 | フッ素配合タイプで有意差あり | ✅ 効果あり |
| 口臭抑制 | 一時的には効果あり | ⚪ 短期的に効果あり(持続は短め) |
| 歯周病進行抑制 | 併用で補助的効果 | ⚪ 補助的な効果あり |
疑問13.家でフッ素を塗るならいつがいいの?
A.
実はお家で使えるフッ素も存在します。
歯医者さんで使っているフッ素と家庭で使うフッ素何が違うのかというとフッ素の濃度が違います。
以下に家で使うフッ素剤をまとめます。
| タイプ | 濃度(ppmF) | 使用方法 | 特徴・おすすめ |
|---|---|---|---|
| ①フッ素配合歯磨き粉 | 約950〜1500 ppm(日本の一般上限) | 通常の歯磨き | 最も手軽。毎日使える。 |
| ②フッ素洗口液(マウスウォッシュ) | 225〜900 ppm | うがい(1日1回 or 週1回) | 虫歯予防効果が高い。子ども向けの低濃度製品もあり。 |
| ③フッ素ジェル | 約900〜1000 ppm(市販)※歯科専売では5000 ppmも | 歯磨き後に塗る・ブラッシング | 虫歯になりやすい人・矯正中の人におすすめ。 |
| ④フッ素スプレー・フォーム | 約900 ppm | 直接歯に吹きつけ・泡でブラッシング | お子さんや高齢者でも使いやすい。 |
| ⑤歯科医院用(参考) | 9000〜12000 ppm | 専門家が塗布 | 強力・定期的に行うタイプ。家庭用では不可。 |
家庭用のフッ素を使用する場合は、就寝前に1日1回使用するのがおすすめです。
フッ素は歯の再石灰化をさせる効果があるため、虫歯予防に適していますが、あまりにも多用しすぎてしまうと歯をフッ素症と呼ばれる状態になってしまうので、使用する場合は説明書をしっかり読んでください。
疑問14.フロスと歯間ブラシはどっちを使ったらいいの?
A.
フロスも歯間ブラシもどちらも歯と歯の間を掃除するもので、使用目的はどちらも同じです。
何が違うかといえば歯と歯の間が隙間が大きい場合はフロスのような細い糸のようなものではなく、歯間ブラシのような太いものを使って清掃したほうが、効率よくきれいにすることができます。
逆に歯と歯の間が狭く、歯間ブラシが入らない場合にはフロスを使って清掃する必要があります。
それぞれの歯によって隙間が違うので、それぞれに合った清掃方法で清潔な状態を保ちましょう。

疑問15.電動歯ブラシと音波ブラシって何が違うの?
A.
一般的に電動歯ブラシでまとめられていますが、実は電動歯ブラシと音波ブラシの2種類あります。
違いを以下に表にしてまとめます。
| 特徴 | 電動歯ブラシ | 音波ブラシ |
|---|---|---|
| 動作 | 回転・往復運動 | 高速微振動 |
| 振動数 | 数千回/分 | 数万回/分 |
| 磨き方 | 機械的にこすり取る | 微振動+水流で浮かせて落とす |
| 歯への負担 | やや強め | やさしい |
| 向いている人 | 着色・しっかり磨きたい人 | 歯ぐきが弱い・優しく磨きたい人 |
基本的にどちらもしっかり歯の汚れを落とすことができますので、表の違いを参考にして、自分に合った歯ブラシの選択をしてみてください。
疑問16.歯磨き粉ってそのくらいの量使えばいいの?
A.
歯磨き粉は年齢によって使う量とフッ素の濃度を変える必要があります。
| 年齢 | フッ素濃度(ppmF) | 歯みがき粉の量 |
|---|---|---|
| 0〜2歳(仕上げみがき) | ~1000 ppm | 米粒くらい(1〜2mm) |
| 3〜5歳 | ~1000 ppm | グリーンピース1粒くらい(5mm) |
| 6〜成人、高齢者 | 1400〜1500 ppm | 1.5~2cm程度 |
上の表にまとめてあるように日本小児歯科学会でも利用方法として提示されています。
しかし、お子様の中には6歳を超えているけど、大人用では辛くてうまく磨けない、もしくは磨きたがらないという場合は、子供用の歯磨き粉を使ってください。
しっかりと歯磨きすることで、虫歯から歯を守っていきましょう。
以上、2回にわたってお口のお掃除についてまとめてきましたが、これ以外でわからないことがあれば、スタッフに遠慮せず質問されてください!